つれづれなるままに

教育や家族に関することを中心に書いていきます。

つれづれなるままに国語を語る⑬~「私はひこうき雲」解説~

作文・作詞講座(上級編)

(1)テクニックとは

みなさん、「テクニック(技術)」にはどういう印象を持つかなぁ?🤔。

 

 

 

受験テクニックに恋愛テクニック。心がこもっていない、表面的なことと思う人も多い。

 

 

 

テクニックだけ使いこなそうとするから、表面的になるのよね😔。土台があってのテクニックなのよ😉。

 

 

 

受験テクニックであれば、しっかりとした学力が土台、恋愛テクニックであれば愛情が土台であることが前提だわ😊。私は今でも懸命に学んでいるし、家族愛はしっかりのしたものだわ😁。

 

 

 

ブログだって、私の心情をいかに皆さんに伝えるか、皆さんの心に訴えることが出来るかがテクニックとなるの。心を込めてテクニックを使うのよ。だから、テクニックを使うには、伝えたいという熱い気持ちが必要なのね😊。

 

 

 

(2)作文講座

私のこのブログを引用して解説するわ😅。この後の内容は、こちらのブログを読んでからにした方が分かりやすいわよ😉。お時間があったら、先に読んでね。

 

 

 

①書き出し

ひこうき雲に、どのようなイメージがあるかな?私は、「ひこうき雲」というと、松任谷由実の歌詞が頭によぎる。


ひこうき雲 - 荒井由実(松任谷由実) - YouTube

ひこうき雲  荒井由実 - 歌詞タイム

http://www.kasi-time.com/item-20224.html

主張したいことを読み手に納得してもらうには、一般論、もしくは多くの人が知っていることを使うのよ👨‍🏫。

 

 

 

今回は情緒的で繊細な「死」を扱う随筆文。であれば、その「死」という世界に誘う情緒的なものを引用するの。

 

 

 

後で語るけれど、作詞、作曲、作文って似ているのよ。この部分は曲で言えば「イントロ」ってところね😄。

 

 

 

空に一直線に横たわる雲。f:id:yujisyuji:20190403224253j:image

松任谷由実のYouTubeや歌詞を貼っておいたのだけど、見ない人もいるわよね。本当は聴覚と視覚で訴えた方が良いのだけど。視覚でも、この随筆の世界に引き込もうと考えてのものなの。西陽であるところもポイントよ。

 

 

 

②展開

その先の遠くの世界に誘ってくれるように思える。その世界が外国なのか、希望なのか、それとも異次元の世界なのか。私は、ひこうき雲を見ると、ちょっと物悲しく感じる。

この部分が、大いなる飛躍よ。どの文章にも飛躍が入ると、「つれ国」の中で伝えてきたの。飛躍に感じさせないように、ここまでテクニックを使って来たのよ。

 

 

 

何が飛躍かって。それは「ひこうき雲を見ると物悲しくなる」ってところ😔。ひこうき雲を見て、明るい未来を感じても良い。希望を感じても良い。あの雲を見て、物悲しくなるなんて、いきなり言われても共感する方はほとんどいないわよ。

 

 

 

では、何でスルッと共感してしまうのか🤔。

 

 

 

それは、そういう引用をしたから。そして、「その先の遠くの世界に誘ってくれるように思える。その世界が外国なのか、希望なのか、それとも異次元の世界なのか」というフレーズ。

 

 

 

「ひこうき雲を見て、色々と感じて良いのよ。でも、私は物悲しくなるの。」という、ここにも一般論と主張の論理構造を施しているの👨‍🏫。

 

 

 

③体験で主張の根拠付け

その物悲しくなる根拠付けとしての私の体験が次に書かれる。

大学時代の親友の死、そして、私とは面識のない同学年の女子生徒の死を思い出すの。大学時代の親友は過労死、そして、女子生徒は自死だった。当時、ニュースにもなり、どこから飛び降りたのかも知っている。隣のクラスだったが、ショックだった。良い子だったそうだ。毎朝、ラジオ英会話を聴いてから朝練に来ていたそうだ。

人の死を扱う場合は配慮が必要だ。不謹慎と言われかねない。不謹慎と言われても書きたいという気持ち、伝わったかな。

 

 

 

この体験、直接的にはひこうき雲と関係がないわよ。でも、間接的には関連があるわね。松任谷由実の「ひこうき雲」は飛び降り自殺をした少年の気持ちがテーマなのよ😔。

 

松任谷由実は
あまりにも若すぎたと
ただ思うだけ けれどしあわせ
と歌う。

ここが、今回の私のテーマ。自死は幸せなのか。私の答えは「分からない。だけど悲しい。」なの。

 

 

 

彼女は「自死はしあわせ」と歌う。明るい曲にのせて。それが彼女の凄いところ😱。

 

 

 

「しあわせだ」と言い切って、その飛躍を調べでカモフラージュして、聞き手に納得させてしまう。

 

 

 

だから、音楽って使い方によっては👼にも😈にもなるの。この歌詞は、現在の「不謹慎社会」の中では炎上してもおかしくないくらいきわどいものなのよ。でもね。こういうものを「不謹慎」にしたら、文学・文芸・芸術作品がなくなるね。あの世界的長編小説「源氏物語」だって不謹慎の極みよ~😔

 

 

 

自死はなぜ悪いのか。周りが悲しむから悪いのか?では、周りに悲しむ人がいなければ、自死は肯定されるのか?生死には自己決定権がない理由は?生まれてくるのも死んでいくのも、自分で決定できない。でも、死は幸せなのか?私は自分自身の死を経験していないから、死が幸せかどうかは分からないよ。
でも・・・、生きてほしい。
でも・・・、死を選ぶかもしれない。
これだけは言える。死を選んでも幸せかどうかは分からないということ。

自問自答の形も大切。

 

 

 

自分の思考をより深めることにもなり、また、相手も一緒に考えてもらえる。相反する気持ち、葛藤。随筆文は、明らかな答えは必要ないものでもあるの。私はこのあと、情緒的に、自作の詩を載せたの。

 

 

 

(2)作詞講座

①リズムと展開

詩ってリズムなの。リズムを作るものの1つが、音数。拗音は1音にしても2音にしても良いわよ。例えば「ひこうきぐも」。6音だけど「ひこーきぐも」と読ませて5音にしてもよいわ😊。

「あなたはひこうき雲」
(作詞)ゆう
 
黄昏時のひこうき雲
遠く彼方に
彼方にのびる
 
この坂道を越えていく
ひこうき雲に
手が届くかな
 
あなたはひこうき雲
僕も見てみたい
あなたが見た景色
 
最初で最後の
あなたの決断
僕にはあなたの苦しさ分からない
ゴメン分からない
 
最初で最後の
あなたの決断
僕にはそれが正しいか分からない
ゴメン分からない
 
そう
あなたは良い子
良い子を演じ
疲れていたの
 
あなたはひこうき雲となり
遠く彼方へと
彼方へと
彼方へと

 

 

 

②解説 

黄昏時の(7音)
ひこうき雲(5音)
遠く彼方に(7音)
彼方にのびる(7音)

 

 

 

 最初は情景描写。

黄昏時という時間から、「希望」や「明るい未来」ではなく、「寂しさ」や「切なさ」を連想させる効果を狙っている。また、「遠く」と「彼方に」という似た意味の言葉を重ね、さらに「彼方に」と反復させることによって、途方もなく遠くまで延びていることを印象づける。

 

 

この坂道を(7音)
越えていく(5音)
ひこうき雲に(7音)
手が届くかな(7音)

 

 

情景から心情へ。

「あなたはひこうき雲」という題から、筆者はひこうき雲と誰かをダブらせていることは読み取れる。

 

 

 

ひこうき雲は遠く彼方にある。そんなものには手は届かない。でも、手を届かせたい。誰か大切な人と会えないけれど会いたいという心情とも解釈できる。

 

 

 

歌でいうとAメロの部分ね。ここは、サビで語る主張をスムーズに共感させる大事な部分なの。私のテクニックとしては、この部分は、日本人の琴線に触れる七五長にするの。

 

 

 

7577って、上に5音に入れれば短歌になるわ😊

 

あなたはひこうき雲(9)
僕も見てみたい(8)
あなたが見た景色(9)

9音→8音+9音。

まず、題名にもなっているこの詩のキーワードを叫び、そして、またリズムを俳句のリズムに戻す。9音+8音って俳句では破調というのよ。

 

 

 

歌でいうとBメロね。Aメロのリズムを変えるの。そして、サビ(主張)へと持っていく。ここまでで、聞き手(読み手)にサビを受け入れる気持ちを作らせるのよ。

 

 

主張へ。

最初で(4音)
最後の(4音)
あなたの(4音)
決断(4音)
僕には(4音)
あなたの(4音)
苦しさ(4音)
分からない(5音)
ゴメン(3音)
分からない(5音)
 
最初で最後の
あなたの決断
僕にはそれが正しいか分からない
ゴメン分からない

文節で分けると4音を畳み掛けているの。そして、最後に「分からない」をリフレインさせただけではなく、リズムを少し崩して、私の言いたいことを印象づけたの。最後5音・3音・5音にリズムを崩したの。

 

 

そう(2音)
あなたは良い子(7音)
良い子を演じ(7音)
疲れていたの(7音)

日本人って、5音と7音って、スーッと頭に入ってくる音数なの。だから、セールストークに気を付けてね。

 

 

「そう」と、感嘆詞を入れているところもポイントね。

 

 

ここの内容は、ひこうき雲になった子の性格とその原因が語られているわ。

 

 

余韻で閉める

あなたは(4音)
ひこうき雲となり(8音)
遠く(3音)彼方へと(5音)
彼方へと(5音)
彼方へと(5音)

最後は余韻を残すのよテクニックの1つよ。

 

最後に、自分の気持ちを相手に伝え、共感を得るには、「カタルシス」というものを表現技法に取り込むと効果的なのよ。

 

 

(3)終わりに

今回のブログを読んで、「つれづれなるままに国語を語る」に興味をお持ちになった方は、ぜひ、こちらをお読みください。後ろの回から前の回に読み戻っていく形になりますが。


つれづれなるままに国語を語る⑫ - つれづれなるままに

こういう解説というか、種明かしをしちゃったから、ゆうのブログを興ざめなんて言わないでね😭。ってね😝。

 

みなさん!ゆうの塾に入ってちょうだい😁。いくらでも教えて差し上げますわよ😆

 

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2019年4月4日に書いたブログ。ブログを始めた当初は、こんな教務的な内容が多かったわ。

 

つれづれなるままに国語を語る

つれづれなるままに歴史を語る

つれづれなるままに心理を語る

 

というシリーズものがあった。

 

 

あんまり日の目を見ていないのよね。当時は今ほどアクセス数がなかったし😅