松田聖子の「赤いスイートピー」を分析する
やはり鍵をかけないことにしました。千客万来😄
今回は「赤いスイートピー」の歌詞読解講座よ😁。独特の解釈なので、作詞家に聞いたら全然違うよ~と言われそう。それでもブログで公表するのが、私の真骨頂よ😎
春色の汽車に乗って海に連れていってよ
煙草の匂いのシャツにそっとよりそうから
もうね😆。
歌い出しから、その詩的センスに惹き付けられる。
「春色の汽車」だよ❗️
「春色」だよ❗️
何で私がこんなに興奮するのか。
季節の色を歌った他の歌を挙げて考えてみよう☝️😄
【夏色】
「夏色」と言えばゆず。ゆずの「夏色」という歌は、歌詞全体から夏の情景や気持ちを醸し出す。
【秋色】
松田聖子には「風は秋色」という歌もある。しかしこの歌詞も、ゆずの「夏色」と同じで、歌詞の中に「秋色」という言葉は使われない。
【冬色】
山口百恵の「冬の色」もそう。歌詞全体が冬の色を醸し出すのよ
歌詞の中に「春色」「夏色」「秋色」「冬色」という言葉が出ても、どの歌も歌詞の冒頭には出ていない。色といっても、視覚ではなく、聴覚、嗅覚、触覚、味覚といった五感全てで感じとる季節の色を言っているのよ。
例えば、「こういう情景で、そういう心情だから、春色なのよ」と因果律があるの。
タイトルになら「春色」とか「夏色」と使っても良い。タイトルは、その歌詞を抽象化したものだから。それが、具体的な歌詞の歌い始めで「春色の~」なんて歌われたら、様々な想像が浮かぶだろう。想像する色は人によって異なるはず。
それに「春色の汽車」よ。ということは、赤色、青色、黄色と同じように、この春色は視覚の色である😄。
じゃぁどんな色なんだろう🤔。
そして多くの人はどんな色を思い浮かべるか🙄。
ビンク・黄色・うぐいす色…。
淡い暖色系の色を思い浮かべる人が多いと思う。
それなのにタイトルが「『赤い』スイートピー」なのよね🤔。
イントロや歌い出しのメロディーは、ゆったりと穏やかで、ホノボノとしたものだ。このメロディーから、少なくとも私は「赤色」をイメージしない。春色~♪と歌い出し、しかし、赤いスイートピーとなるのにも意味がある。
次に歌詞の語順。この語順は詩の定型よ☝️😄。
語順を逆にしてみたら分かる。
煙草の匂いのシャツにそっとよりそうから
春色の汽車に乗って海に連れていってよ
赤いスイートピーのメロディーにのせて口ずさんで欲しい。歌詞を逆にしても歌えるはずよ😉。
ねっ。歌えたでしょ。その歌える理由は後で述べるわ。
さて、語順を変えると、情緒的にならないわね😅。
それは原因(理由)→結果の順番だから。言い換えると理由→主張だから。
詩は因果律を嫌う。逆にしても因果律なんだけれど、そちらの方が良い。「何で?」と思わせるのも大切なのよ。
それに、ものをねだるときを考えてみよう。
A「ねぇねぇ、私の誕生日じゃない、だからプレゼントしてよ~」
B「ねぇねぇ、プレゼントしてよ。だって私の誕生日じゃない。」
う~ん🤔。
これは私の好みなのかもしれないが、女の子にものをねだられるなら、Bかなぁ😅。Aのように理由が先にくると、理屈っぽくて興ざめする。
この詩と因果の関係は、ちびまる子ちゃんのエンディングソングを題材にしてお話ししたわ👋😄
春色の汽車に乗って海に連れていってよ
春色の汽車というものがあれば、その汽車は夏でも秋でも冬でも走るだろう。例えば青色の電車が一年中走るように。
しかし実際には春色はない。
とすると、この「春色の汽車」は「春の陽射しを浴びて、春の風を受けながら走る汽車」と解釈できるだろう🤔。
「春色の汽車」という言葉だけで、春の陽射しや風、暖かさ、匂いなど春の五感を全て表しているとも言えるだろう。汽車は走っているだろうし、海に連れていくのだから、春の海風や潮の匂いも感じ取れるわ。
イントロのメロディーと「春色の汽車に乗って海に連れていってよ」という歌い出しだけで、ここまでの情景が思い描ける歌なのである。それは凄いし、ヒットするよなぁ😲
「連れていってよ」ということは、今、この春色の電車にも乗っていないし、海も見えていない。そして、彼に直接言っているわけでもないことは、その後の歌詞からも分かる。ということは、この「連れていってよ」は、彼のいないある場所での女の子の呟きであるとも考えられる。想像を豊かにしたら、自分の部屋で彼の写真を見ながら思いふける女性の姿を思い描ける。少なくとも1番の歌詞はそういう解釈も成り立つ。
煙草の匂いのシャツにそっとよりそうから
「匂い」が「臭い」だったら臭そうよね😅。
しかし、歌われたら同じ「におい」だ。
でも、「たばこのにおいのシャツにそっとよりそうから」と歌われたら、確実に「匂い」の方だろう🙄。
彼がヘビースモーカーだったら「臭い」となり臭い。
それに煙草の銘柄は、ハイライトやセブンスターではなさそう。ちょっとオヤジ臭い😅。私の勝手なイメージだとフロンティアライトなのだが、これは1988年に発売されたので、時代が合わない。ラークかなぁ🤔。
そしてシャツ。シャツ姿で汽車に乗るのだから、陽気は良いはずよね。
なぜ 知り合った日から半年過ぎても
あなたって手も握らない
こういう男性をシャイというのか、堅物というのか。
これは、あとで「ちょっぴり気が弱いけれど素敵な人だから」となるので、シャイな男であると考えてよさそうだ😄。
まぁ、この松田聖子が登場した時代は、日本の女性像を大きく変えた時代だ。
歌謡会で言えば、山口百恵の「プレイバックPart2」が象徴的だろう。
肩肘はった強い女性。そして不良ね。その対極が松田聖子とも言えそうね。その二面性を兼ね備えたのは中森明菜。
でも、松田聖子は山口百恵とは違ったアプローチで強い女性を歌っているともいえるのよね。この赤いスイートピーだって男よりも強い女性だわ。
I will follow you あなたに
ついていきたい
I will follow you ちょっぴり
気が弱いけれど
素敵な人だから
「あなたについていきたい」と言うと、彼に付き従うというイメージがあるが、この女性は気の弱い男性を選んでいるのである。
強い男性の方が頼れる。その頼れる男性ではなく気の弱い男性が素敵であると思い、彼についていきたいと言っているのである。
男性の価値は強いことであるという戦前から続く性的な価値観の否定である。
またその弱い男性についていくということは、自分が守るという意思の表明でもある。女性が男性を守ると歌い、それを世の女性は支持したのである。彼氏を母性で選ぶのである。
このあと男女雇用機会均等法が成立するが、それは世界的な潮流で仕方がなく作ったのではなく、日本の女性が求めたものだとも言えよう。なぜなら、この赤いスイートピーは多くの日本の女性の支持を受け、いまだに支持され続けているのだから。
天海祐希や米倉涼子が演じる強い女性も良いが、しなやかさの中に強さがあるのも良い。
このサビの部分のメロディーはイントロや歌い出しのメロディーとは異なり、感情たかぶるメロディーである。これは、彼女の彼への熱い思いである。
心の岸辺に咲いた
赤いスイートピー
スイートピーは心に咲いたのよ。
ということは、
I will follow you あなたについていきたい
I will follow you ちょっぴり気が弱いけれど素敵な人だから
という感情を象徴したのがスイートピーよ😄。
この熱い思いを色で表したら「赤色」よ。それ以外考えられない。
詩の中で、色や形が出てきたら、それ以外のものも当てはめることが出きるかどうかを考えると良い。
色は赤しかない。そのつぎは花だ。
春の花を列挙すると、チューリップ スイセン 菜の花 スズラン ラベンダー ワスレナグサ タンポポ。
チューリップでは、「咲いた、咲いた、チューリップの花が♪」が出てしまう😅。
「赤い~スイートピ~」を「赤い~チューリップ~」だとシックリとこない。
これには2つ理由があるだろう。
まずは赤いチューリップは当たり前だからだ。
どういうことかというと、この歌がリリースされたときはスイートピーの色に赤はなかったのだ。だから、咲いたのは「心の岸辺」なのだ。
当時は赤いスイートピーは想像上の花だった。
赤いチューリップを心の岸辺に咲かせても良いが、やはり赤いスイートピーの方が「心の岸辺」に咲く花としては適当だろう。
当たり前の花ではなく、想像上の花の方が心に咲く花としてはよりふさわしい。
もう1つは音だ。
最後に「プ~♪」じゃ、ここまでの歌が台無しよ。おならじゃないんだから🤣。それに最後に「ピー」とした方が、口角が上がり笑顔になるでしょ。
と考えていくと、やはりスイートピー以外考えられないのよ☝️😄。
そして花を題材にするときは、花言葉を確認する。
空想上の花である赤いスイートピーが心に浮かんだ。そのスイートピーという花の花言葉は
「門出」「別離」「ほのかな喜び」「優しい思い出」である。
この4つの花言葉はグループ分け出きる。
それは「門出」「別離」「優しい思い出」という別れや過去のグループと、「ほのかな喜び」である。
前者と後者では全く意味が異なってくる。前者であると、今後、別れも予感させるものとなる。
しかし2番で
四月の雨に降られて駅のベンチで二人
他に人影もなくて不意に気まずくなる
と歌い
好きよ 今日まで
逢った誰より
I will follow you あなたの
生き方が好き
このまま帰れない 帰れない
これが女の子の妄想の歌とは言えない。これは現在進行形の恋の歌である。愛ではない、恋である。
そして
心に春が来た日は
赤いスイートピー
と歌っているのである。
だから私は素直に「ほのかな喜び」としたい。ほのかな喜びを花言葉にするスイートピーに、「赤色」という情熱の色をつけたところが秀逸である。
余談だが、別れや門出も解釈できるのよ。
出会って半年しても手も繋がない彼にじれったさを感じ、そして弱い男に惹かれる彼女は、恋愛経験は彼よりも多い、というか、彼は恋愛経験無しで、彼女は恋愛経験が豊富であるとも解釈できるわけで😅。
前の彼と分かれたあとに登場したひ弱な男に癒され恋心を寄せて、付き合って半年経ったとも言えるわよね。
ということは、彼によって彼女はやっと心に春が来たのよ。前の彼と別れて、新しい男性との門出とも言えるわよね😉。
最後に歌詞のリズム
はるいろのきしゃにのって10
うみにつれていってよ 9
たばこのにおいのシャツに11
そっとよりそうから 8
最初は19音を2セット。
1音1音符にして、音数が多い分、ゆったりとした印象を持つ。
最近の歌は1音符にたくさん音(言葉)を入れるので、私は頭が痛くなるときもある😅。
なぜしりあったひから 9
はんとしすぎても 8
あなたって 5
てもにぎらない 7
やはり、日本語でリズムを良くするには七五調、十七音なのよ。
9音と8音で俳句なら破調よね。
最初は19音だったのを、破調、七五調徐々に日本人の琴線に触れる音数にしていっている。聴いていると心地よくなるのよね。
そしてサビ
あいうぃるふぉろーゆー 7
あなたについていきたい 11
あいうぃるふぉろーゆー 7
ちょっぴりきがよわいけど10
ほら~17音の俳句(字余りあり)の文字数になったでしょ😁。
これは偶然ではないのよ。
だって最後の「よわいけど」を「よわいけれど」にしなかったのはなぜなのよ。「よわいけど」の方が口語で良いという面もあるけれど、字数よ、きっと😄。特に前が字余りだったので、後は字数を定型の十七音に合わせたのよ。考えすぎかしら😅
「ちょっぴり」が「ちょっと」だったら「よわいけれど」にして17音にしたはずよ。でも「ちょっと気が弱いけれど」より「ちょっぴり気が弱いけど」の方が、ブリッコ感が出てて良いわね。
すてきなひとだから 9
こころのきしべにさいた 10
あかいすいーとぴー 9
最後の拗音は伸ばして歌うので1字とした。この音数は、歌い出しの音数に戻したのよ。この部分を「春色の汽車に乗って海に連れていってよ」とも歌えるでしょ。最初に戻ってエンドレスを狙うのも、歌詞作りのコツよね😉。
1ヶ月以上間を開けてのブログの再開。
その理由は、ツイッターのフォロワーさんにあとを押されて書いたのよ。自分の才能を認めてくださる方がいるのは嬉しいことだわ😄
歌の歌詞分析、あれ好きでした!
— ほめられ伸び子 (@ponponky_) 2022年1月6日
また、これまで短歌の良さや味わい方がわからず、ただ「嫌い」と言う中学生の多いことを残念に思っていたので、ゆうさんならではの感性で解説お願いしたいです😊
ほめられ伸び子 on Twitter: "歌の歌詞分析、あれ好きでした! また、これまで短歌の良さや味わい方がわからず、ただ「嫌い」と言う中学生の多いことを残念に思っていたので、ゆうさんならではの感性で解説お願いしたいです😊… "
えっ、女性だから鼻の下を伸ばしてこのブログを書いたんじゃないかって😁。その気持ちも否めないけれど、男性のご要望に応えて書いたブログもあったわよね。さつま芋さん😉。
そうそう。私のツイッターのアカウント。新たなアカウントにしました😄。
2ヶ月でフォロワー数が400名まで行っていたのに~😅。まぁ、今年の1月4日から、新たなアカウントで再出発しているわよ。
もし良ければ、フォロワーになって下さいね😉。
以前、私のフォロワーになって下さった私のブログの講読者さん。名前を検索しても出てこなかったの~😣。失礼して申し訳ございません🙇。