つれづれなるままに

教育や家族に関することを中心に書いていきます。

トーマスを子育て視点で読み解く~映画きかんしゃトーマス GO!GO!地球まるごとアドベンチャー~トーマスとトップハムハット卿

小6のチューはトーマス好きである。幼児の頃から変わりがない。200円もするガチャガチャもよくする。幼児の頃から積み上げると、使った金額は、ウン万円ではすまないかもしれない。

 

チューママのパパ(チューのジィジね)も、チューがトーマスが好きなことを知っていて、テレビでやっていたトーマスの映画を録画しておいてくれた。

 

そのお話がこちら👋😄

映画 きかんしゃトーマス Go! Go! 地球まるごとアドベンチャー [DVD]

 

このお話の構成は定番で、保護者としても安心してみていられる。

 

水戸黄門だと、お話の構成が同じなのは明らかよね。悪者が町民を泣かし、その泣かしているのを正体を明かさない黄門様と助さん、格さんが知り、一江戸町民として相談に乗る。すったもんだがあって、最後は悪人に徳川家の印籠を見せて、悪事を裁いて一件落着。このすったもんだでは必ずチャンバラが見られるのも視聴者にはうれしい限り。

 

では、このトーマスの話の何が定番なのか。

このトーマスは「こどもの親離れと成長」がメインテーマのはずよ。特に子ども向けの物語には、これから述べる流れが定番。

①日々の生活を描く

②悪友が主人公を新たな世界にチャレンジするように促す。

③主人公がその誘いにのり、家(故郷)を出ていく。

④(家族や故郷の)仲間が心配する。その仲間の一人が主人公を探しに行く。

⑤主人公は、新たな世界で悪友と離ればなれになり、一人で旅をすることになる。

⑥主人公は旅の中で新たな仲間と出会い、その仲間と喧嘩をしながら、友情を育み、困難を乗り越えていく。

⑦旅の途中で、主人公を探している故郷の仲間とは会わない。すれ違いを繰り返す。

⑧主人公は旅の途中で友達となった者と一緒に故郷に帰る。

⑨故郷の仲間に温かく出迎えてもらいハッピーエンド。

 

この流れって、子ども向けの物語でよく見かけるのよ。あと、漫画でも。私の主観的な分析では、あの「機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)」も、この流れに近い。

ファーストガンダムのテーマは「アムロの成長」なのよ。ガンダムを表層的な部分だけ見ると「地球連邦VSジオン公国」と言う戦争がテーマ。核の部分は「(戦争という)困難を乗り越えていく(アムロという)子どもの成長」がテーマよ。アニメのエンディングソング「永遠にアムロ」の歌詞を読めばよく分かるわ。アムロだけではなく、ホワイトベースの仲間達(最年長は19才のブライト・ノア)の成長だわ。機動戦士ガンダム十五少年漂流記をモチーフにしているとも言われている。

十五少年漂流記 (講談社青い鳥文庫)

裏テーマは「シャーの復讐」。この裏テーマがより鮮明になったのが「ガンダムオリジン」。今回はトーマスの話なので、余談はこのくらいにしておくわ😉✨

 

このトーマスの話で、とても良いなぁと私が感じたのは、トップハムハット卿(トーマスの主人)のトーマスへの対応。

 

トーマスは、世界一周をした初めての機関車になるために、「トップハムハット卿の許しを得た」と言って、ソドー島を後にした。しかし、トップハムハット卿は許した覚えはない。でも、彼は怒らなかった。怒らなかった理由が深い。いや、作品の中でハッキリと言っていないので視聴者の解釈の問題になるのだが、私はとても考えさせられた。

 

トップハムハット卿はトーマスに、「ソドー島を出て、世界一周をして良い」とは言っていない。しかし、「トーマスが世界一周をした機関車になることは素晴らしいことだ」という趣旨の言葉は言っていた。それをトーマスが「世界一周をして良い」と自分の都合の良いように解釈したに過ぎないのだ。しかし、だからといって、実質、無断でソドー島を出た(家出した)トーマスを叱らないのだ。それに、エンディングでは、トーマスを心配したソドー島の仲間達も、帰ってきたトーマスを全くなじらず、「世界一周をした初めての機関車になった」と両手で褒め称えた。これはトップハムハット卿が、トーマスの勘違いであるにせよ、勘違いさせるような言葉を言ったことを認め、トーマスがソドー島を出ていったことを事後承諾したのだろう。

 

話の本線ではないし、これくらいのネタバレは良いかなぁ😅。

 

このトップハムハット卿の対応ってなかなかできないのよ。明らかに相手の誤解である。相手が自分の都合の良いように自分の言葉を解釈したのである。こういったケースでは、自分の言葉を都合の良いように解釈された人は、「怒り」の感情がわくのよね。それが自分の子どもであっても。

 

電話で

A「商品先物取引しませんか。」

B「結構です。」

A「では、そちらうかがいますので。」

B「いえ、来ないでください。」

A「だって、あなた『けっこう良いものですね』と言ったじゃないですか。」

B「要らないという意味だ💢」

一昔前、断る際に「結構です」は使わない方が良いと聞いたことがある。

 

このトーマスの話では、トップハムハット卿はトーマスの父親的役割を果たしているのであろう。トーマスに対する怒りよりも心配である気持ちが強く、怒りの感情が出なかったのかもしれない。あと、トーマスは悪意でトップハムハット卿の言葉を自分の都合の良いように解釈したわけではない。それはトップハムハット卿もわかっている。それに、トーマスの「世界一周をしたい」という発言は、言い換えれば「成長したい」「親元を離れたい」「自立をしたい」となるだろう。子どもの「成長したい」という気持ちを親が抑えてはならぬ。「親元を離れたい」という自立と自我の心を摘んではならぬ。でも、心配だ。親は、子どもに対して「喜び」と「不安」の感情がわく。その葛藤を怒りに変えてはならぬ。

 

さて、トーマスがトップハムハット卿にしたようなことをチューが私にしたら、私は快く受け入れてやることができるだろうか。いや、快く受け入れよう😅。