つれづれなるままに

教育や家族に関することを中心に書いていきます。

連載小説~深夜の謀議その3~「つれづれなるままに歴史を語る第5部」

(1)前回までのお話

さて、前回のお話はこちら👋😄。リンクを押していくと、第1話まで遡れるわ😉✨


連載小説~深夜の謀議その2~「つれづれなるままに歴史を語る第5部」 - つれづれなるままに

 

(2)第3話~天皇家とは~

林羅山の「徳川家が関東の天皇になる」と言う発言に「我が意を得たり」と思ったが、渋い顔をした。

天海

「道春よ。お主は若い。だから、口が軽い。そのようなことを単刀直入に言うものではない。」

家康

「京都の天皇家はどうする。」

 

天皇家の権威は絶大である。天皇家が日本を治める正当性が覆ったのは、戦後である。明治維新の五ヶ条の御誓文は、明治大帝が、祖先神に誓いを立てるという形で出された。武家政治は天皇から武士に政を委託されたという形を取る。だから、日本は戦後、外圧に屈するまで、天皇支配の正当性を乗り越えられなかったということにもなるのだ。

 

日本の始まりはいつかは分からない。神話時代の神武天皇が即位したのが紀元前660年と言われる。時代区分で言うと縄文時代となるから、この神武天皇の即位は神話の中の架空の話と言える。卑弥呼天皇家の祖先だとか、万世一系天皇家と言えども、少なくとも2~3回、王朝が変わったという説もある。しかし、そうは言っても、これだけ長く続く王朝は珍しい。

 

天皇家が日本を治める根拠は「天壌無窮の神勅」である。戦前の国史の教科書の1ページ目にも載っていた。天皇支配の神学においては、とても大切なものである。

 

天照大御神瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に

この日本の国は、私の子孫が王となるべき土地である。皇孫であるあなたが治めなさい。無事でいるように。皇室が栄えることは、天地がある限り永遠である。

と神勅を与えた。これが日本支配の正当性である。

 

その天皇寄生虫のように纏わりついたのが藤原氏だ。天皇の権力をなくし権威化し、日本の土地は全て天皇のものにした(公地公民)のに、それを荘園制という脱税システムで無力化した。

宿主の養分を吸って、宿主にはならないのが寄生虫

天皇家の財産(税)を荘園制で吸い上げて、天皇にはならないのが藤原氏だ。

平安時代とは、全く平安ではなかった。地方は荒れまくり、自衛しなくては財産を守れない。栄えたのは京のそれも一部だけ。全人口の1%が日本の富を独占しているという状態であった。

 

だって見てよ。

平等院鳳凰堂を。

藤原氏の私財で作ったのだ。あれを見ると、国風文化の素晴らしさと藤原氏の横暴を私は感じてしまう。

 

その支配に反旗を翻したのが平将門。天壌無窮の神勅による支配ではなく、力の支配を訴えた。しかし、その将門ももとをたどれば天皇となる。

家康は三河の女ったらしの坊主が祖先だと言われるが、系図を買い、源氏の血筋とした。源氏の血筋ということは、もとをたどれば天皇家だ。天皇家の血筋を買わなければ、征夷大将軍として世の中を治められない。その後の「パクス・トクガワーナ(徳川の平和)」と世界から称賛されたことを踏まえると、藤原氏の政治と比較するのは徳川氏に失礼だろう。

 

支配の権威付けは「天皇家」である。天皇に任命された天皇家の血筋の者が日本を支配する。これは中世とされる武士の世の中でも変わりがなかった。その天皇家に対抗して、東の天皇家になるとはどういうことか。

天海「天皇家は、黄泉の国に封じ込め、あの世を治めてもらいましょう。穢土は徳川家、浄土は天皇家とすればよろしいかと思います。天皇家大国主命を浄土の主としたように。」

天海は不敵な笑みを浮かべていた。

 

(3)終わりに

あぁ、1500字を越えてしまった。もっと話を続けたいのですが、今夜はここまで👋😄。