つれづれなるままに

教育や家族に関することを中心に書いていきます。

交通事故に遭いました…

先日、朝の8時過ぎに、妻から家に電話があった。

 

子犬を自動車で轢いてしまったとのこと。

 

チューを学校に送り届けるときに、妻が子犬を轢いてしまった。子犬が視界に入らなかった。おじさんが右側でゴミを出していた。道が狭いので、そのおじさんに車が当たらないように徐行した。そうしたら左側の視界の外からキャンキャンと聞こえた。

 

妻は車を降りた。周りを確認したら、100メートル先に走り去っている犬がいた。この間、1分くらいだろう。しばらくして、20才くらいの女性とお婆さんとおじさんの3人が走ってきた。この女性は100メートルくらい逃げた犬を抱き抱え戻ってきた。彼女は「このおじさんに『犬が轢かれたかもしれないぞ。家から飛び出したチワワを見たぞ』と言われた」と妻に言った。飼い主の家は20メートル先にあり、道を曲がったところにあるので、事故現場からは見えない。

 

妻は

「申し訳ございません。犬を跳ねたようなので、病院に連れていってください。」

と言い、子犬の足を触った。

 

祖母は

「子犬は家から出てしまったので、こちらが悪いので気にしないで下さい。お子さんを学校に送る途中なんでしょ。早く行きなさい。」

と言ってくれたとのこと。

妻は「良いのですか。」と言うと、お婆さんは「良いですよ。」と言ったので立ち去った。

 

妻は、その後、パートに行った。しかし、10時頃、早退して帰ってきた。そして、これから出勤しようとしている私に

「謝りに行った方が良いかなぁ。」

と言うので、私は

「公道に犬を放し飼いしていることが常識外だし、向こうのお婆さんが、そう言っているのなら(謝りに)行く必要はない。」

と言った。

 

16時30分頃、会社にいる私の携帯電話が鳴った。

 

「小学校から電話があったの。飼い主から学校に『誰が子犬を轢いたのか探せ』と連絡があり、全校生徒に確認の電話を入れていたんだって。私は逃げたわけではないのに…。跳ねた子犬がなくなったんだって。内臓破裂だって。どうしよう。相手に電話をしたら『血統証つきの犬でまだローンが残っている』とか、『私の前方不注意だった』とか、『息子がドッグトレーナーをしていて、うちの犬は訓練しているので、飛び出すことはない。』と喧嘩腰で罵られてしまったの。」

と言う。

 

私は

「まず警察と保険会社に電話をして、警察と一緒に、先方の家に行きなさい。」

と言った。私も会社を早退した。

 

家に帰って、妻に事情を聞いた。

 

ドライブレコーダーを警察官が見たら、「これは(轢いても)仕方がないね。」と言っていた。菓子折を渡そうとしたら、先方のお婆さんは、「こちらも迷惑をかけたのだから、いらない。」とおっしゃっていたのだが、お渡しした。飼い主の娘さんと母親は、ドライブレコーダーがあることを伝えると、「ドライブレコーダーがあるのですか。」と言って、その映像を見てショックを受けていた。

 

最初の母親の対応は気になるが、祖母の対応とその後の様子を聞いていると、理性的な方かもしれないと私は思った。

 

後日、保険会社から妻に電話がかかってきた。

「リールをつけた大型犬を自動車が轢いたとき、運転手8、飼い主2の過失となる。今回のように、リールをつけず放し飼いの子犬を、ドライバーの視界に入らずに跳ねてしまったケースがない。この大型犬のケースを当てはめると運転手2で飼い主8の過失になるのではないか。保険としては損害の8割まで負担することは可能だ。そちらの気持ちで割合を変えることができる。」

と言った。

 

冗談じゃない。

後日、私は保険会社に言った。

「過失がこちらが2であちらが8だとしたら、先方にこちらの4倍の過失がある。先方がこちらに配慮することが当然じゃないか。それに、こちらもあちらの犬が放し飼いになっていて、嫌な思いをしているのだ。過失分の支払いにしてください。そこに私が見舞金として上乗せするのは、向こうの誠意があってからだ。」

と伝えた。

 

そして、昨日、保険会社から電話があり、妻から報告を受けた。先方は激怒し、弁護士を入れると言っている。妻は、8割まで支払っても良いのじゃないかと言い、保険会社からは弁護士をつけますかと言われたと言う。

 

私は

あぁ、それならこちらもメンツがある。トコトン争ってやろうじゃないか。実は、先方はたまたま妻の知り合いであった。だったら、なおさらだ。それに、こちらにドライブレコーダーがなければ、全部こちらの責任にしようという魂胆が透けて見えていた。それは、事故当日、妻が警察官と飼い主宅に行ったとき、「ドライブレコーダーがあったのですか。」と飼い主の母親が言ったことに尽きる。なぜ、ドライブレコーダーがあることに驚くのか。驚くということは、ドライブレコーダーがあることが想定外であったということである。従って、彼女の想定は「ドライブレコーダーがない」ということであろう。ドライブレコーダーがないことを想定して、妻に「前方不注意」だの、「犬は訓練していて飛び出すことはない」と言っていたことになる。こんな人に、損害の8割を補償すると言っていたら、「それ見たことか。あちらが悪かったんだ。」と言って、感謝もされず、過失がこちらが大きかったんだと思われ、10割負担を求められたかもしれない。

 

公道にわざと物を置いたとする。暗闇で、その物にバイクが躓き転倒した。それは、バイクの前方不注意になるのか。それは、転ばせようという意思があったら、物を置いた者は犯罪者であろう。

 

法律上、犬は物として扱われる。飼い主にどんなに愛情があっても物は物だ。

 

私は猫のミースケを飼い、1年後に、車に轢かれたようだ。ミースケが家に帰って来なくなり、数日後、知り合いがミースケらしき猫の死骸を見たと私に言った。とても悲しかったが、ドライバーに対する怒りはなぜか沸いてこなかった。二代目ミー子は家から外にあまり出さないようにした。

 

公道に可動式の物を放置したとする。その物は小さくて車からは見えにくい。ドライバーから見えない可動式の物をドライバーが跳ねた。これはドライバーの前方不注意になるのだろうか。可動式の物を公道に放置した方が過失は大きいだろう。この可動式の物は「犬」である。

私は個人的には、ドライバー0、飼い主10の過失だ。私が飼い主だったら、お金なんてもらえない。

 

こう考えてみよう。

もしも、もしもだよ。妻がその子犬に気づいてハンドルを切った先に、人がいたら…。

ゾッとする。

だって、実際に、ゴミを捨てているおじさんがそこにいたんだよ。子犬に妻が気づいていたら、慌ててハンドルを切り、このおじさんを引き殺していたかもしれない。

 

いや、ハンドルを切って、他の車に衝突し、妻子が死んでいたらと考えると、この飼い主に腸が煮えくり返る。だって、激怒したんでしょ。激怒したということは、自分の過失を認めていないということ。そして、この危険性も全く分かっていないのは、さらに罪が深い。

 

損害金は、相手の子犬に対する愛情も加味した金額である。減価償却していない。当然、葬式代も入っている。

 

それを、こちらが2の過失を認めたのに激怒する、この性根が許せない。私は理性的に譲歩したつもりだ。

 

弁護士を立てるなら、こちらの過失は0、先方の過失は10でと頼もうと考えている。まぁ、こちらは業務上だから0は無理だとは分かっているが。

 

あちらが8の過失を素直に認めたならば、見舞金としてプラス3をして、損失の半分の金額を保険を使わずに渡そうと思っていたんだ。しかし、この考えも吹っ飛んだ。弁護士を立てて、適正な過失分だけ支払おう。適正な割合が5対5ならそれでも良い。しかし、その場合は確認する。外で犬を放し飼いしている飼い主と、適正な速度で運転しているドライバーの過失が同じである理由を。

でも、その理由も私には分かる。それだけ「業務上」の責任は重いのだと。

そしたら、このように聞こう。私が可動式の高価なおもちゃを公道に置いても、ドライバーの過失は重いのかと。

安ければ、支払わなくて良かった分が、弁護士費用と考えよう。

 

このケースでドライバーの過失を大きくしてしまったら、悪い前例になるだろう。人を轢いたのではなく、物を轢いたのだ。人であれば交通刑務所行き。しかし、今回の話は法律上は物だ。

 

公道に放し飼いしている飼い主に重大な責任がある。そんなに宝のように大切なものなら、公道に放し飼いするな。それにこの子犬は、室内犬なのよ。トイレは家から20メートル先の空き地でさせていたとのこと。あり得ないよ。そんな飼い方は。自分の家が汚れるのが嫌だから、外でさせていた可能性は高い。自分勝手極まりない。

 

私憤を義憤に変えるのも大切なことである。

 

最後に私の冷たい考えを述べよう。愛犬を殺したのは、飼い主であると。愛犬に謝るべきは、外に放し飼いしていた飼い主であると。ドライブレコーダーを見た警察官でさえ、「これじゃ(子犬を轢いても)仕方がないね」と言った妻に、過失はないと。

 

犬を轢いてしまって良心の呵責に、気にし過ぎる性格の妻もこの1ヶ月苦しんでいるのよ。

 

とブログに事故の原因と経緯を、子犬を跳ねた側の視点で書き残してみた。

 

えっ❗️❓

飼い主の視点が欠けているって❓

 

そんなこと分かっているわ。

でもね、今はそんなことをブログに残す気がしない。だって、いつでも私は妻の味方だから。