中学生の頃は他塾に通っていた、難関高の1年生との面談。彼は5月から自習室会員としてうちの塾に通っている。
私は彼を気にかけていて、「今回の定期試験はどうだった?」と聞いたら、「思うような結果ではなかった」とのこと。それじゃぁということで、面談ルームへ。
👨🏫「見直しはしたの。」
👨「見直しすることに意味を見いだせないのです。」
👨🏫「それはどういうこと?」
👨「学校の夏の課題には、テスト範囲も含まれています。そもそも、学校では2週間毎に大きなテストがあり、その勉強でいっぱいで振り返りなんて出来ないのです。」
👨🏫「そうか。まぁ、そもそもと出た時点で、あなたの心は頑なになっているなぁ。テストの点数の幅はどうなの?」
👨「ムラがあります。80点取るときもあれば、40点のときもあります。」
👨🏫「そうか。ムラが大きいね。どんなところを間違えたの?」
👨「漠然としています。」
👨🏫「間違えたところが漠然としていては、間違えたところができるようにならないね。間違えたところがハッキリとしない原因は?」
👨「…。見直しをしていないからです。」
👨🏫「見直しの大切さがわかったね。間違いは穴。穴を埋めないと、穴が増えていくよ。ところで、大学はどこを目指すの?」
👨「旧帝大。北大です。でも、文系学部を目指すなら、北海道までいく意味がないと親が言うので、そうなのかなぁと。だから目標が定まっていません。」
👨🏫「なんだか構造が似ているなぁ🤔」
👨「何がですか?」
👨🏫「貴方は、私がテストの解き直しを勧めたら、意味があるものなのに、『そもそも』を使って、解き直しは意味のないものとし、頑なに否定した。しかし、北大を目指すことに関しては、貴方にとっては意味があるものなのに、『意味がない』と言われると、それを受け入れてしまう。
どちらも、なぜ『意味がない』と決めつけるのかなぁ?🤔。貴方にとっては北大を目指すのは意味があるものなんだろう。」
この会話、本当は30分以上もかけているのよ。私の編集は凄い😎
なんだかんだ話しているうちに、その子に、講座の体験を勧めたら「塾の先生は裏がある」と言い出した。
👨🏫「裏って何?」
👨「お金がかかるでしょう。」
👨🏫「それが悪いの?お金のために勧めているということ?」
👨「…。」
👨🏫「まず、考えてみよう。ここはケーキ屋。目の前に、ケーキが並んでいる。そのケーキの試食を勧める店員は、悪いことをやっているのかな?」
👨「…。そうは思いません。」
👨🏫「そうだよね。その店員はケーキを買ってほしい。美味しいケーキを売れば、お客は美味しいものを食べられて、店員も売ることができ、お店の中の評価が上がる。これを裏と言うのかい。」
👨「…。」
👨🏫「ここは塾だ。先生は塾の店員。ここに講座が並んでいる。『この講座を受けると効率的に勉強ができるかもしれない。体験してみれば』と生徒に勧める。生徒はその講座を受けて学力がつく。私も受講してもらってお金が入る。これは悪いことなのかい。」
👨「…。何が正しいか分からなくなってきた。」
👨🏫「それは、どういうことかな?」
👨「前に通っていた塾で、お金はかかるが上のクラスを勧められ、受けても行かない千葉の難関高校を受けさせられ落ちた。自分が尊敬する中学の先生は『塾の講師は話がうまいし裏があるから信用するな』と母にも僕にも言っていたから。」
ここで、私に怒りが沸いた💢。それでも冷静さを保ち、
👨🏫「あなたは尊敬するというが、その話が事実なら、その先生が言った言葉には虫酸が走る。歪んだ飛躍と一般化がある。私から言えば、その先生はあなたを洗脳したよ。」
👨「尊敬する先生なので、そこまでは言わないでください。」
👨🏫「ここに高校の先生が、アポイントもなく、こちらの都合も考えず、パンフレットやチラシを持ってやってくる。そして、その先生たちは、私に『生徒を受験させてくれ』と笑顔で頼む。しかし、その先生方は、高校の説明会で『うちの高校に通うと塾なんていらない』という。そんな先生を見て、私が『学校の先生は非常識で、かつ、生徒を送ってほしいと頼んだのに、他では塾なんていらないとほざく裏表のある教育者として欠陥がある者ばかりだ』と言ったら、貴方は頷くのか。」
👨「いいえ。でも、塾の実績のために早慶を片っ端から受けさせるんですよ。そうさせられたんです。」
👨🏫「あなたね。まず、あなたを囲んで無理やり受けさせたのか?受ける判断はあなたやあなたの保護者だよ。それに、その経験をもって、『塾の先生とは』と一般化し、私の仕事を侮辱するのが許せない。許せないのは、貴方ではなく、貴方にそのようなことを吹き込んだ先生だ。そんな誘導は、少なくとも私はやらない。その塾の指導が不味いのなら、その塾の問題だよ。」
👨「何が正しいか分からなくなってきた。」