つれづれなるままに

教育や家族に関することを中心に書いていきます。

近現代史の授業って難しい~だからって軽くは扱えないわ😅~

この前、塾で昭和(戦前)の授業をした。

世界恐慌が起こり、各国がその世界恐慌を乗り切る政策として

アメリカ

→ニューデール政策

 

イギリスとフランス

→ブロック経済

 

ドイツ・イタリア

→ファシズム

 

日本

→軍国主義

と説明していった。

 

さて、大東亜共栄圏の説明となった。大東亜共栄圏は、日本が欧米の植民地支配に代わり、日本中心の東アジアの民族の共存共栄を目指して作ったものだと伝えた。また、参加した国の多くは、すでに日本の植民地のような状態であったことも教えた。

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👦「大東亜共栄圏って悪い政策だったのですか?」

 

👨‍🏫「その質問の意図は何だろう?」

 

👦「学校の先生は日本は無謀な戦争をしたとか言うから。」

 

👨‍🏫「無謀な戦争かどうかの評価は避けるが、一応勝算はあったんだよ。その勝算の出し方に問題があったのかもしれないね。」

 

👦「それで、大東亜共栄って良くないの。」

 

👨‍🏫「はは~ん。ブロック経済は良くて…と言いたいんだろう。」

 

👦「そうなんです。イギリスもフランスも他国を侵略して植民地としたんでしょ。」

 

👨‍🏫「大航海あたりからなぁ。まぁ、侵略することが悪いという考えが各国の共通認識になり始めたのが、第一次世界大戦後だったかなぁ。侵略するとか植民地にするといったことが『悪』ではなかったときに多くの国を植民地にしたんだね。」

 

👦「そういう植民地をたくさん持っている国が、貿易で高い関税をかけて、他国を追い出したのがブロック経済なんでしょ。大国が他国のことを考えず、自国のことを考えたことが、戦争の原因だと思うんです。こんな世界の状況なら、日本が大東亜共栄というブロック経済圏を作っても欧米から文句を言われる筋合いはないじゃないかと思うんです。」

 

👨‍🏫「なかなか鋭い質問だね。ここで先生の答えを言っても良いんだが、自分で考えてごらん。」

 

👦「…。」

 

👨‍🏫「本当は、当時の資料などをもとに考えた方が良いんだが、それはここにはないしなぁ。じゃぁ、人間の常識で考えよう。」

 

👦「❓」

 

👨‍🏫「ドラえもんの法則だ。」

 

👦「❓❓」

 

👨‍🏫「ドラえもんに登場するジャイアンには、『俺のものは俺のもの、のび太のものも俺のもの』という迷言がある。これって理不尽じゃないか。」

 

👦「理不尽です。」

 

👨‍🏫「のび太がジャイアンに『理不尽だ』と叫んで、ジャイアンは理不尽じゃなくなるかなぁ?」

 

👦「おそらく、なりません。」

 

👨‍🏫「じゃぁ、そのジャイアンをこらしめるには?」

 

👦「ドラえもんに頼む。」

 

👨‍🏫「ほかには?」

 

👦「ジャイアンの母親に言いつける」

 

👨‍🏫「そうだね(笑)。他には。」

 

👦「・・・。」

 

👨‍🏫「自分が弱ければ、強いものに頼む。ということは、強いものがいなくてはならないということだね。もしくは、自分が強くなければならないんだよ。今は弱者に優しくと言われるが、それでも弱者に厳しい世の中だよね。今の世界も横暴で理不尽な国がのさばっている。それではいけないというけれど、それが現実なんだ。」

 

👦「そういえば、先生、言っていましたね。」

 

👨‍🏫「えっ❓何て❓」

 

👦「明治時代、明治政府は、欧米のルールに従って、不平等条約を改正したって。」

 

👨‍🏫「そこに繋がったか。」

 

👦「何か分かった気がします。」

 

👨‍🏫「分かった気ではダメだ。今の先生のヒントだって、理解の全てではないし、間違っているかもしれないぞ。ただし、人間の根本的な常識って、今も昔もそう変わらないと先生は思う。特に『弱肉強食』のような本能に近い常識は。」

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と生徒とのやり取りを思い出した。かなり優秀な生徒だった。もう20年も前だから、あの子はもう35才になるのか。N君、元気かぁ🤔

 

猿山のボスザルに「お前は理不尽だ」と訴えても、無意味なのよね。でも、猿山のボスは人徳、いや猿徳がなければならず、メスザルにモテるそうだ。人間のボスよりも良いかもしれないぞ😅。

 

と、昔話になってしまったが、授業や生徒対応では、自分の主義主張をかなり押さえているのよ😄。

 

そういえば、戦前の日韓関係や、日本とドイツの比較について。

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https://youtu.be/-jCxBRxrxUQ

こちらは、とても有名な動画だよ。朝まで生テレビ。日韓関係を考える上でも貴重な話。西尾先生のおっしゃることに対して、賛否はあるだろう。

 

賛否かかわらず、この場面で圧巻なのは、西尾先生の話に誰も割って入らずに、静かに聞いているところだと思う。西尾先生と反対の立場である辛淑玉さんが頭を抱えて、西尾先生に反論できないのが写し出されている。これを論破と言うのだろう😔。

 

この動画の内容を書き起こそうと思ったが、やめたわ。大変だから😣。私が重視したいのは、この動画の内容よりも、この場の雰囲気。現場にいる右よりの人も左よりの人も、みんな西尾先生の主張を聞き入っているところ。

 

歴史を語るとき、その解釈が異なることがある。いや、歴史に限らず、意見を言い合うということは、自分とは異なる意見があることが前提だ。自分の異なる意見を遮るのではなく、相手の意見を理解するために静かに聞く。これが大切なんだ思う。だから、この場での辛淑玉さんも、西尾先生の話を感情的に遮って反論せず、黙ったということも立派だと思う。

 

戦後75年。いまだに、いわゆる先勝国が世界を牛耳っている。国際連合の安全保障理事会の常任理事国は「米・中・露・英・仏」だ。この5大国には、世界の安全保障に関して、多数決で決まっても、それを拒否する権限を持っている。安全保障とは、ざっくり言えば、平和と戦争に関することよ。それに対して、全世界が賛成しようと、この5大国で一国でも反対したら、可決しないということよ。

 

いや、拒否権が悪いというわけではない。そんな巨大な権限を持つ国は理性的でなくてはならない。しかし、現在のこの5大国は理性的と言えるかしら🤔。

 

戦勝国の特権として拒否権があるとも言えるが、勝った大国を国際連合に繋げる首輪、いや、えさとも言えるわね😌。

 

日本は満州事変を起こし、満州国を作った。その満州国を世界の国々は認めなかった。審議の結果、満州国を承認しないことに反対したのは日本のみ、賛成が42カ国で可決された。これを受けて日本政府は翌月、国際連盟脱退を通告したのだ。その後、ドイツも国際連盟を脱退した。

 

世界の国々が話し合う場があることで、平和を保つことができる。その場に影響力の大きい国が参加しなくなった悲劇を人類は知った。だから、影響力のある国が参加するためのエサともいえる。でも、ゴージャスなエサだなぁ😅。

 

戦前史をゴロあわせを使わずに、因果関係を理解することを重視した授業はこちら👋😄