チューよ、チュー。
チューは修学旅行に行った。
普通級に気心知れた子はなく、所在なさげ。
でも、みんな優しく接してくれると妻から聞いた。去年の林間学校の時も、チューの写真は全て笑顔であった。
ありがたい。
ホントありがたい。
5年前の入学式。
キミはひときわ目立っていた。支援級の先生に手を引かれ、グリーンボトルの歌を口ずさんでいた。小さな声だった。でも、静かな体育館に響き渡った。
支援級の先生に手を引かれ、チューは普通級の子どもや保護者の前に出され、先生はチューの事情を説明し、理解を求めた。隣で妻は泣いていた。しかし、これは先生が正しい。隠すことはない。堂々としていれば良い。恥ずかしがらず感謝の心を忘れずに、支援を頼めばよい。
運動会も補助が必要だった。
マラソン大会では、走る意味が良く分からないようで、走ったり歩いたり、ふらついたり、2週も遅れた。そしたら、同級生や上級生から、誰にも促されず、「チューちゃん頑張れ❗️チューちゃん頑張れ❗️」のコールが響いた。涙腺が緩んだ。
3年生の頃から、少しずつ集団に溶け込めるようになり、集団に埋もれるようになってきた。
親の心情は、「良かった」である。「嬉しい」である。
没個性❓
いや、違う。
社会性って集団行動が大切だと思う。それができた上での個性だよ。私は、そう考える。
キミは多彩になった。
スケート、習字、卓球、乗馬…。パパはかなわないよ。